にゃあです。  ゲームに関する分析、感想がメイン。批評じゃなく分析ね。
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旧はてなダイアリー

ゴジラ-1.0感想

実はこの作品は、私はあまり好きではない。宇宙世紀ガンダムファンがアナザーガンダムを見ているときの気持ちといえばわかるだろうか。

でも、いろいろな部分でマニアの意見を聞きたいと思った作品。人の感想を見て回りたいという気持ち。

 

監督は過去作品から良くないイメージを持ってしまうが、それらを払拭できた作品だと思う。マニア向け要素や怪獣映画の娯楽作品としてちゃんとしていつつ、人間ドラマを付けておけばマニア以外の人もなんか納得でしょという部分もクリアしている。

もちろん、あれやこれやとツッコミどころも多いし、ドラマ表現がうまくないし、なんかモタモタびくびくした表現が多すぎるし、もうちょっと盛り上がれるようなシナリオになっててほしいとか、もういろいろありすぎる。

でも、それでも、監督がやりたいことを全力でやれるだけやりきった、そして横槍もなく良いところに着地できた作品だろうなと。

関係者でもないのだけれど、なんか「みんなこれ見てほしい。見た上で色々意見はあるだろうし、良いこと悪いこと指摘して会話してほしい」と思ったのだ。

 

良かった部分。

高雄が一撃食らってそのまま落ちるのではなく、ゴジラに抑え込まれつつも砲塔を回してさらに一撃食らわせた。これがかっこいい。

震電が未完成品で、廃棄か博物館送りみたいなのが急遽完成させる。しかも改造付き。これがアツい。(欲を言えば、これの完成にあのひとが必要な理由はもっとドラマとしててほしかったなという部分ではある。)

ラスト、いろいろなアレがアレして、良いところに収まってくれてよかった。ありがとうという気持ち。これがなかったら、「見なければよかった」と思っていたかもしれない。

 

追記:

何かに似てる感情だと思ったが、わかった。シャーロキアンが原作に出てくる名前だけの事件を、妄想で書き上げたようなアレだ。シャーロキアンは原作を考察し、原作の記述ミスさえも何か別の置き換えで意味が通るような謎解きではないかと考えたりする。今回、監督は高雄を出したいという意図からあれやこれやと調査・考察したのだろう。そういう苦労が見え隠れする。ここがエモい。視聴者である自分が創作側の立場で褒めるような言い方はズルいのだろうが、作り手の考え方や苦労が見えるのはある種の趣向であるのだ。

近年の多様なゴジラバリエーション作品の登場は、ゴジラという作品の永続的な存在を目指してのことのようだ。我々は初代が大事だし、初代こそがゴジラだ。けれど、バリエーションゴジラがあってそこから初代を少しでも認識してくれたら、という狙い。ありがたい。