この世にはペンギンの通り道とサメの通り道があり、「ペンギンハイウェイ」と「サメのハイウェイ」と呼ばれるのだ。
ペンギンハイウェイ
少年はお姉さんとチェスをする。
少年はお姉さんに研究の話をする。
お姉さんは少年にチェスを教える。
お姉さんは少年の研究を応援する。
お姉さんは少年を「少年」と呼ぶ。
少年はアオヤマくん。アオヤマくんはお姉さんを「おねえさん」と呼ぶ。
お姉さんは名前が明かされない。ずっと。
でも、そんなことは重要ではないのだ。
思っていたのと違った。もっとジブリ的なやわらかいものだと予想していた。
傾向的には、新海誠の路線が平気なら楽しめると思う。
わりとSFしていて、空想が好きな人ならパンフ等から、描かれていないあれこれを想像して楽しむこともできるだろう。
私も小さい頃に、近所のお姉さんに遊んでもらっていたらしい。私はある事件以前の記憶がないのだけれど、昔、見せてもらったアルバムには近所のお姉さんに遊んでもらっている様子の写真があった。
記憶が無いにもかかわらず、お姉さんとのやりとりなどのシチュエーションから懐かしさを感じてしまった。新海誠以外にも私の心の弱点を付いてくる人がいるとは!!
半分は少年とお姉さんとのやりとり。もう半分はお姉さんの想いとか覚悟とか、なんかいろいろ入り混じった感情を、少年が受け止めていくシーン。
お姉さんの振り返り、今敏ならぐるぐると過去から現在までのシーンをくぐり抜ける映像になるのかもなーとか。
バック・トゥ・ザ・フューチャー3のドクが「私は科学者だから、個人の利益のために捻じ曲げるわけにはいかない」というのとそっくりの、少年の覚悟・決断のシーンがある。感情に負けてしまうのもまた人間なんだが、お姉さんの前でかっこよくしたいから大人ぶって。
シャーロック・ホームズにとっての「あの女」と同じように、アオヤマくんにとって「おねえさん」がずっと心に残ってしまうんだろうなぁ。一生独身かもしれない。
MEG ザ・モンスター
そんなわけで心にダメージを負い、もう生きていられなくなってしまったのでサメ成分を摂取することにしたのだ。
サメ。
ステイサムは無敵のヒーローじゃなくて、そこそこ強い人、くらいだったので、いい緊張感があった。
頭からっぽにして見ていられた。
いいね、サメ。
つらいときや怒りそうなときには、おっぱいとかゾンビとかサメとかガンダムのことを考えるといい。